暗がりの空の月は
一人孤独に光ってる
何故かその月が目に沁みる
零れおちる泪と共に
自分にも孤独を感じた

明かりのついていない家に帰る
誰かが夕食を作っているわけでもなく
誰かが「おかえり」と言ってくれるわけでもなく
でも「ただいま」と言う

簡単に夕食を作って机に並べる
月明かりを頼りにした部屋のテレビをつけると
テレビから漏れる光が部屋に散らばる
それがまた孤独を感じさせる
台所から聞こえてくる 蛇口から漏れる水の音
やけに切なく耳に響く

外を見れば月は一人で光輝く
さびしくはないよと語りかけてくる
そうだね
月は少しだけ輝きを増してくれる
一人の部屋に二人の影が映りそうなほどに

時計の音か部屋に響き渡る

             2007.07.08

+MEMO+
現実味のある詩になりました。
外から聞こえてくる鈴虫の音も
何やら私にとって孤独を感じさせます。
そして孤独という言葉からは寂しさを感じますが、
私には美しさも感じられます。
といっても孤独にはなりたくないですけどね。
          2007.09.04